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2010年5月5日水曜日

【本】子どもの話す技術を鍛える[増補新版]

【タイトル】
子どもの話す技術を鍛える[増補新版]
【著者】
野口 芳宏 著
【出版社】
明治図書出版
【発売日】
2006/10/23 5版
【価格】
2,835円
【目次】
序の章 話し方指導の基礎・基本
――講演記録――
1 話し言葉指導の原則
①国語学力の基底 /②話す・聞くの力をつける指導原理 /③教師の聞き耳が大切 /④向上的変容の保障可能

2 話す力不振の三大要因
①話すことがない /②心理的不安 /③話し方がわからない

3 表現内容を持たせる
①立場を決める /②「なぜか」に強くする /③ノートに短くずばりと書かせる
4 不安心理の解放の支援
①自己変革への意欲を持たせる /②やる気をほめる /③発言の四相

5 話し方の指導
①短く話す /②問われていることだけに答える /③モデルを見せる /④復唱させる

Ⅰ 話し言葉の現実
一 話し言葉に見られる問題点

1 伸びを見せた対話能力

2 子どもの対話能力の問題点
①感覚的で論理性に乏しい /②消費的で生産性に乏しい /③形式的で内容に乏しい /④主張に勝り、自省に乏しい

3 本物の対話能力を高める指導
①技術の前に、まず態度の指導を /②話し合いのすばらしさの体感を /③話し方の巧拙の意識づけを /④どんなときでも沈着さを

二 授業の発言の問題点
1 講師の目と自分の目
2 フィルターを通して見る
3 総合フィルターとしての「向上的変容」

4 子どもの発言のどこを見るか
①正解志向に偏っていないか /②誤答が大切にされているか /③短くずばりと答えているか /④問いに対して答えているか /⑤相手の考えをえぐっているか /⑥発言の独占者や放棄者はいないか /⑦聞く耳が育てられているか

5 子どもの動きのどこを見るか
①全員が授業に参加しているか /②話し手を見つめているか /③表情は生きているか /④知的正義感が身についているか

Ⅱ 話し言葉指導の再興
一 今こそ話し言葉指導の再興を
1 電話の受け方の変化
2 女の子が、どうして……
3 道を尋ねられたら
4 話し言葉指導の再興を

二 指導の重点をここに
1 チョーク一本、口一つ

2 教師が使う話し言葉の基本
①子どもに向ける言葉を自らの耳で聞け /②聴衆反応に応じて話し方を変えよ /③「愛語」ということ

3 子どもが教師に向けて使う話し言葉の基本
①何よりも「自然さ」と「親しみ」を /②礼を失してはならない /③「問い」と「反論」を歓迎する

4 子ども同士の話し言葉の基本
①教室のどの子にも聞こえる声で /②一文、一文を区切って /③反対を歓迎させる ④発言の独占をさせない

Ⅲ 話し言葉のしつけ
一 まず、気軽に発言させる

1 子どもはもともと話し好き

2 話せる雰囲気づくり
①よい答えばかりを歓迎してはいけない /②発言をしようとしたことをほめる /③口数の多い子どもの発言を抑える /④挙手だけに頼った指名をしない

3 多様な発言形態
①音声発言 /②表情発言 /③ノート発言 /④朗読発言

4 発言の型を教える

二 感想を豊かに持たせる
1 感想を広げる
①感じたことを自由に話させる /②何人かで、見たり、聞いたりする /③心に残った場面を指摘させる /④音読の指導を大切にする

2 さし絵の活用を図る

三 話し合いのしつけ
1 基本的な言葉のしつけ

2 話に集中させる工夫
①余計なものはしまわせる /②課題を与えて話を聞かせる /③短い話し合いで区切りをつける /④多様な反応が出るような問いを出す /⑤落差のはっきりする問いを出す /⑥学習形態を工夫する

3 個性をつかむ
①一人ひとりは十人十色 /②勝手な振舞をする子の指導 /③話しすぎる子の指導 /④話したがらない子の指導

4 教師話法の反省
①おおらかさ /②基本と枝葉 /③楽しく話す

Ⅳ 的確な話し方の指導

一 筋道立てて
1 話し言葉の技術は自然には身につかない
2 ずばりと短く話させる
3 尋ねられていることにだけ答えさせる
4 指を折りながら話させる
5 結論を先に言わせる
6 聞き手の表情を読みながら話させる
7 欠点の指摘だけでなく打開の道を
8 やり直しをさせて納得させる
9 言語人格を形成する

二 上手な「報告」
1 「報告」のいろいろ

2 「報告」の指導のポイント
①自分から報告する――主体性 /②結果の報告をする――完結性 /③直ちに報告する――即時性 /④必要なことを報告する――簡潔性 /⑤報告に詫びを添える――陳謝

三 集会で話させる
1 高学年の話し方の技能
2 児童集会の事前指導
3 原稿のできばえ
4 発表の実際とその問題点

Ⅴ 話し言葉のマナーを磨く

一 聞き方の態度と技術
1 結びつきを左右する「聞く・話す」
2 話し手のために聞く

3 聞き方の心構えと態度の指導
①肯定、受容、共感 /②見つめ、頷き、微笑 /③いたわり、励まし

4 聞き方の技能を鍛える
①心を集中して聞く /②ひとまず受容――批判には時間の経過を /③不明な点は問うて確かめる /④意図を探る /⑤人と事柄とを区別する /⑥批判的に聞く

二 言葉のエチケット
1 「全校集会」の実情
2 「エチケット教室」の試み
3 「失礼します」
4 「会釈の仕方」
5 「叱られ方のエチケット」

Ⅵ 聞き手への配慮

一 聞き手への配慮
1 気になる「マイペース」
2 「普通の声」で話してはいけない

二 聞き手への配慮の指導
1 声の小さい子の指導
2 黙ってしまう子の指導
3 返事が上手にできない子の指導
4 多弁な子どもの指導
5 思いつきを喋る子の指導
6 自分の考えに固執する子の指導

三 公話における配慮
1 全校児童会での発表の指導
2 一年生の歓迎集会での作文発表の指導

Ⅶ 話し言葉の教材開発

一 話し言葉指導における教材開発を進める
1 平成元年版指導要領における指導系統
2 指導系統の一覧表

二 話し言葉指導の目標と内容
――五年生を例にして――
1 話し言葉の「技能目標」に関する問題
2 話し言葉の「態度目標」に関する問題
3 言語事項の「発音・発声」に関する問題
4 言語事項の「言葉づかい」に関する問題
5 A「表現」の「話し方」に関する問題
6 話し言葉の指導内容についての小見

三 教師の教材開発の力量形成
1 教科書教材だけに頼らずに
2 新しい指導分野の教材開発も

3 敬語のしつけと指導
①言葉の乱れと崩れ /②敬語表現の美学 /③敬語表現の受難期 /④子どもは敬語で遇されない /⑤家庭の責任、教師の責任

4 インタビューの指導
①「面接取材」が適訳 /②取材の目的を確認する /③質問内容を目的に合わせて絞る /④インタビューの技法のポイント

四 即時、即座の指導を
1 教育における計画性と即興性
2 指導の場の発見

3 具体的な「指導の場」――その実践例
①言葉にこだわる /②返事の仕方にこだわる /③発音にこだわる /④言葉の「表情」にこだわる

Ⅷ 話し言葉と人間教育
1 反対耐性を培う
2 いつでも冷静に話し合う
3 感情をコントロールする
4 言語人格を高める
①巧言令色型 /②形質・技術未熟型 /③篤実咄弁型 /④理想型

結びの章 コミュニケーションの基礎・基本
――返事・挨拶・表情――
1 「挨拶」に込められた意味
①「戴きます」 /②「ごちそうさまでした」 /③「すみません」 /④「有難う」 /⑤「はい」という返事

2 指導要領におけるコミュニケーション

3 国語教育の中の技術
①話す /②聞く

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